「ここきち」食材辞典

セロリ
旬
冷涼な気候を好むじゃがいもは、一年中スーパーなどで売られていますが、旬は、春(5月~6月頃)と、秋(9月~10月頃)の年2回。春には九州から出荷される、一般的に「新じゃが」といわれる「メークイン」が旬になります。
生産地
栽培が比較的簡単で、生育が早いため、日本各地で生産されていますが、最大の産地は北海道で、全国の生産量の約8割を占めています。春には長崎県、鹿児島県などの九州産、秋には北海道産などのじゃがいもが出荷されます。
  • アンデスから欧州を経て日本へ。その品種は現在2000以上。
     じゃがいもは、ナス科ナス属の植物で、食されているのは茎の部分です。一般的にはじゃがいもと呼ばれていますが、農林水産省では「馬鈴薯(ばれいしょ)」と称しています。“馬につける鈴に似ている”という理由から、江戸時代の薬用植物学者、小野蘭山によってこう名付けられたようです。
     原産地は南アメリカのアンデス高原で、6世紀以前より栽培されていました。その後、16世紀頃にスペインの探検家によってヨーロッパに伝えられ、当初は観賞用として栽培されていましたが、荒地でも栽培できることから、飢餓を救う食物として普及しました。日本へは、16世紀前後にオランダ船によって長崎に持ち込まれたといわれています。
     じゃがいもの品種は、世界中に約2000種もあるといわれていますが、日本では、「男爵」と「メークイン」が二大品種と呼ばれています。丸々としていて芽のくぼみが深い「男爵」はホクホクとした食感で粉ふきいもやコロッケに向いています。それ比べて、長細い楕円の形をした「メークイン」は、「男爵」とは対照的に煮崩れにくいのが特徴です。どちらとも、比較的長く貯蔵できることから、ストック野菜として重宝されています。
     スーパーなどでは、この二大品種以外はあまり目にしませんが、でんぷんの原材料やお菓子などの加工品用として、さまざまな品種のじゃがいもが栽培・出荷されています。
  • “悪魔の食物”から一転、世界中で愛される食材に。
     フランスでは、聖書にも登場するりんご=価値のある食物になぞらえて、“ポム・デ・テール(大地のりんご)”という名を持つことにも象徴されるように、主成分がでんぷんであるため、米などと同様にエネルギーの源となることから現在でこそ世界中で愛用されているじゃがいもですが、ヨーロッパに伝来した当初は“悪魔の食物”といわれて敬遠されていました。その理由は、栽培があまりにも簡単で怠けてしまうから、種をまかなくても土の中で勝手に増えるから、聖書に出てこないからなど、諸説ありますが、原産地であるアンデスからヨーロッパまでの運搬途中に、発芽した芽を食べてしまい、芽に含まれるソラニンで中毒を起こしたからという説が有力です。
     しかし、中毒の原因が芽にあることがわかると、貯蔵できるでんぷん作物として、ヨーロッパ全土に普及。その後、飢饉や戦争時の貴重な食料となり、現在では、水稲、小麦、大麦、とうもろこしと並ぶ、五大食用作物として、世界の人々の栄養を支える存在になっています。
  • 糖質に加え、ビタミンやミネラルも豊富。
     じゃがいもの主成分はでんぷんを主とした糖質。そのため、高カロリーな食材と勘違いされている方も多いかもしれませんが、実は100g当たり約70カロリーとご飯の半分のエネルギー量で、低カロリーなのでダイエット時にもおすすめの野菜です。
     また、じゃがいもには果物にも負けないほど豊富なビタミンCが含まれています。青菜などのビタミンCは熱に弱いという性質がありますが、じゃがいものビタミンCはでんぷんに包まれているため、比較的熱に強く、蒸したり、ゆでたりしても、多くがじゃがいもに残ります。
     そのほかにカリウムも多く含まれており、体内の余分なナトリウム(塩分)を排出し血圧を下げ、高血圧予防に効果があるとされるじゃがいもは、欧米人に比べてナトリウムの摂取量が多いといわれる日本人におすすめの野菜です。
  • 皮ごとゆでると水っぽくならずホクホクに。
     じゃがいもはふっくらと丸みがあってでこぼこが少なく、皮にしわや傷がないものが良品です。「男爵」などは大きすぎると、中心が空洞だったり水っぽかったりするので注意が必要ですが、「メークイン」や「ホッカイコガネ」などの品種は大きくても大丈夫です。
     芽や緑の部分にはソラニンというわずかな有毒物質が含まれるので、調理の時には取り除いてください。皮をむいたり切ったりした後に放置すると、酸化酵素の働きで切り口が茶褐色に変色してしまうので、すぐに水につけて変色を防ぎましょう。ただし、あまり長く水につけると、ビタミンがどんどん失われるので、さっとでんぷんを洗い流す程度にするのがポイント。ゆでる時や蒸す時は皮付きのまま調理し、後で皮をむく方が、水っぽくならずホクホクとした仕上がりになり、ビタミンCの損失も少なくてすみます。
     常温で保存する場合は、新聞紙に包んでかごに入れるなどして通気性をよくし、日光の当たらない風通しのよい所で保存してください。5℃くらいの暗い場所なら長期保存が可能です。大量に購入した際などには、一緒にりんごを1、2個入れると、りんごからでる物質の作用で、じゃがいもの発芽を抑制することができます。