「ここきち」食材辞典

1月の旬の食材 ねぎ

独特の辛味で食欲を増進させる薬味として、また冬の鍋物にも欠かせないねぎ。流通の発達した現代でも全国各地で固有の品種が栽培され、食べ比べる楽しみもあります。
ねぎ
旬
鍋物や煮こみなど冬の食卓にねぎは欠かせません。寒さにあたると風味を増し、最も味がのってくるのも12月から1月。ただし品種改良も進み、産地ごとに出盛りの時期があるため、出荷量自体は「冬がやや多い」程度になっています。
生産地
生産量が多いのは埼玉県と千葉県。ただ、春ねぎは群馬県、夏ねぎは茨城県や北海道、というように季節によって採れる地域が違っています。また、西日本で需要の多い葉ねぎは大阪府や香川県などでも多く生産されているようです。
  • 古くから疲労回復や風邪への効果が伝わっているのには、理由があります。
     風邪をひいた時に、手拭やガーゼでくるんで首に巻く民間療法などもよく知られているねぎ。独特の香りのもとでもある硫化アリルは、胃を刺激して消化液の分泌を促すことで食欲を増進させるほか、血行をよくして体を温めます。血行がよくなることで、代謝もよくなるので脂肪燃焼にも効果が期待できるでしょう。
     その他にも、カリウム、カルシウム、リン、鉄分、ビタミンB1、B2、Cなどを含み、緑の部分にはビタミンAやカロテンも含むなど、ねぎは非常に栄養価の高い食材。昔から、疲労回復や風邪に効くとされているのもうなずけます。
  • 東は「白ねぎ」、西は「青ねぎ」。実は耕土や気候の違いによるものです。
     単に「ねぎ」と言う場合、西日本では緑の葉の先端部まで食べられる、若く細い「青ねぎ」を指し、東日本では主に白い部分を食べる、太い「白ねぎ」を指すことが多いようです。それは昔から、東日本では成長とともに土を盛上げ陽に当てないようにして作る「白ねぎ」こと根深ねぎが栽培され、西日本では陽に当てて作る「青ねぎ」こと葉ねぎが栽培されていたため。これらは好みの違い、文化の違いといわれていますが、実は耕土や気候の違いによるものなのです。耕土が深く冬の寒さのきびしい東日本では、寒さに耐えるよう根元に土寄せをして厳冬期に土の中でじっくりと白く長く育てます。逆に西日本では、耕土が浅いため土寄せしないで育て、葉を食用にする葉ねぎが主流となったようです。もっとも最近は、東日本での小ねぎの消費も、西日本で白ねぎの消費も増えて、東西の違いも次第に少なくなりつつあります。
  • 味も使い方も多種多様。日本全国で様々なねぎが栽培されています。
     ねぎは全国各地で固有の品種が栽培され、栽培方法の違いなども合わせて実にさまざまな種類のねぎが流通しています。関東でもっとも一般的な品種群は「千住ねぎ」「加賀ねぎ」などで、千住系には、埼玉県深谷市で栽培される「深谷ねぎ」や、 茨城県水戸市近郊でとれる茎が赤紫色の「赤ねぎ」などがあり、群馬県下仁田町でとれブランドねぎとして有名な「下仁田ねぎ」は加賀系です。また東北各地には、斜めに植えて土寄せし、曲げづくりにした「曲がりねぎ」などもあります。
     一方、葉ねぎの代表品種は京都が発祥の「九条ねぎ」。九条系では福岡県でとれる「博多万能ねぎ」などが有名です。ちなみに、日本の東西の中間にあたるエリアではどうかというと、愛知県では九条と千住の交雑種「越津ねぎ」が、岐阜県ではが白ねぎと青ねぎの両方の特徴を持つ「徳田ねぎ」が栽培されています。
  • 緑の部分は濃く、白い部分が鮮やかで、境目がはっきりと分かれているものが新鮮です。
     新鮮な「白ねぎ」の見分け方としては、白い部分が長く、緑の部分と白い部分の境目がはっきりと分かれており、全体に身がしまっているものを選ぶといったことがポイントになります。「青ねぎ」の場合は、傷やしおれがなく、葉の先まで鮮やかな緑色で、ピンとしているものを選びましょう。
     新聞紙に包んで冷暗所に置いておけば数週間はもちます。立てて保存するのがポイント。泥つきねぎのほうが日もちがよく、土をかぶせておけば長期保存も可能です。余らせてしまったねぎは、しなびやすいのでラップに包み、冷蔵庫で保存しましょう。青ねぎは痛みやすいので、なるべく早めに食べてしまったほうが良いでしょう。保存する場合は、湿らせた新聞紙にくるみ、冷暗所で。